着物や帯では、柄や質感で季節を着飾ることができますが、文様次第でも着る人の思いを伝えることができます。
宝尽くし文様の帯で、着る人がお祝いをされる場合やお祝いしたい人がいる場合に衣服で表現できる、和服は貴重な文化なのです。
宝尽くし文様とは、もともとは中国の吉祥思想のひとつ「八宝(はっぽう)」に由来します。それが室町時代に日本に伝わり、日本風にアレンジされて宝尽くし文様となりました。
代表的なものを取り上げてみましょう。
・打出の小槌→古くから物語に登場し、振れば背が伸びたり欲しいものが手に入るという縁起物。
・隠れ蓑→防寒や雨から身を守るもので、着ると他人から姿が見えなくなることから、この名がつきました。伝説では天狗が持っていると伝えられています。
・宝巻、巻軸→宝巻はありがたいお経が書かれたもの、巻軸は秘伝などを記したもの。
・宝珠→宝の珠のことで、法具の一つ。金銀財宝などを望むものを出すことができるといわれる不思議な珠。
などなど、様々な文様にもそれぞれ意味があり、昔の人々は縁起物を重宝していたのが文様から感じられますね。
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